2016年9月7日水曜日

日本へ。この3年のインド放浪の総括

南インドのハンピから、楽園ゴカルナに着いたのが去年の12月始め。乾期の気持ちいい天気が続く絶好のビーチシーズンの始まりだった。4月までのんびりまったりと過ごすつもりで来たのだ。

クリスマスホリデーシーズンの客が押し寄せる前に、格安で居心地の良い部屋を確保。一泊Rs.200(約311円)ヤシのジャングルの中の隠れ家のようなベストな部屋に出会えた。トイレシャワーは外だが全く問題ない。小用のたびに星空を見上げたり、海の風を感じたり、部屋から外に出るのが気持ち好いからだ。


滞在中の12月から3月いっぱいまで、一度も雨は降らなかった。南インドは最高だ。
是非もっと日本人に来てもらいたいと思う。今年も行くので行きたい人は教えるよ。



いつのまにか家が楽しいギター教室に。クラシックとJazzをみっちり教えた。そしてインド伝統音楽やサンバなど、いろんなミュージシャンともセッション。ゴカルナは長期滞在生活の楽しいところ。 最低でも1ヶ月はいたい。俺は最低でも3ヶ月、この3年は毎年通ってる。


 夕暮れのアラビア海で泳ぐのは気持ち好い。平和なビーチだ。
大の字になって浮かんでいるとすごく良い気分になるのだ。


 ケララのインド人の友人が遊びに来てくれた。ゴカルナのインド人とは隣の州なのに言葉が通じない。字も全然違う。(マヤラム語とカンナダ語)もちろん北インドのヒンディー語とは全く違う言葉だ。でも笑い合えればみんな兄弟。



 日本に比べるとだいぶお得な値段でスマホ回線が使えるインドでは近年、かなりローカルな地域まで3Gが届くようになり便利になった。2014年の日本での取材記録をまとめる作業をすすめた。




 ゴカルナは小さい町で本当にシャンティ。だがとても深い体験をここでする人が多いようだ。長期滞在の旅行者が多いがカップルのいざこざや、気がおかしくなる人も毎年出るという少し不思議な面もある。
今回で3回目の長期滞在となったが、また来シーズンも来てしまうだろうな。





 スリランカで取った6ヶ月インドビザの期限も近づいてきたので、デリーからアウトする前にラジャスターン地方へ寄り道した。プシュカルに3週間ほどいたが好い町だった。
砂漠に近く非常に乾燥しているのだが、それが心地好い。気温は33度あっても乾いているのあまり不快ではない。独特のオーラに包まれた中心部から外れるとすぐに砂漠のような荒野になり、地平線に伸びる一本道をバイクで飛ばす気分は最高だった。



 町外れの山からは360度の絶景が広がる。



 町の中心部から神聖な湖と山を眺める。一枚上の写真はあの山の頂上から撮影したものだ。


 荒野をバイクで走っていて出会った最高にシャンティな牛ちゃんたち


 とても神聖な雰囲気の夕暮れ


 未舗装の道をかっとばす。インドはノーヘルでOKだから最高だ。15歳の頃から走り始めた己の旅の道にダイレクトに繋がってくる。「今」以外には何も無いということだ。
日本を出て3年。いまだに英語もろくに話さないが言語はあまり重要じゃない。伝わればいい。そしてどこまでもどこまでも遠く旅しようが、常に自分と一緒にいるしか出来ないのがこの人生とやらだ。他人はごまかせても自分は騙せない。いつも全部見ているからだ。これまで自分に嘘をつかず生きてこれたことだけが、一番大事だと感謝している。



 毎度のネパールへ。ポカラ~バラナシの陸路はもう5回も行って飽きたので今回は飛行機で。ヒマラヤに向かって左側の席を予約したら、見事な山々が迎えてくれた。


 タメルの定宿へ。昨年の地震のダメージはほとんどないカトマンズ。報道は少し大袈裟だったように感じる。世界中からの支援金などはほとんどが政府のポケットに入ったという話も聞く。どこの国もろくでもない犯罪者レベルの人間や企業が権力を握っているが、この先20年後どうなってるだろうか。まさか破綻しないわけがない。すべてが真逆の陰から陽への移行期なのだろう。しかし俺は低次元につきあっている暇は無い。




 屋上のマイルームからの眺めはタメルでも最上級。騒がしいタメルにあって静寂なオアシス。こんな風に各地に俺を迎えてくれる好い宿がある。18年ぶりに突然行っても一瞬で思い出してくれたネパリや、毎年ギターを預かってくれる親切なオーナーの宿とか。金では買えない人生の財産だな。長く旅していると何が本当に大事なのかが研ぎすまされ観えてくる。常に心身共に断捨離を迫られるからだ。しかしそんな刃先にいるような人生が好きだ。この3年荷物は小さなザック一つとミニサイズのクラギだけだ。それだけで十分ということがわかった。
インド鉄道 Sleeper Class のベッドで。1997年から使ってるフレームなしの最軽量のカリマーのザック。大事に使えば長持ちするものだ。











 2年ぶりの再会を果たした!2014年の記事に出てくるドゥリケルのラムババジーに会いに行った。言葉は通じなくとも全く時の隔たりを感じない気心知れた友人だ。
付近の寺を徒歩で巡り、ネパールのまだ生きている伝統をひしひしと味わった。



 ネパールで一番旨いモモ!
インドネパールを旅していてカレーばかり食べているわけでは無い。パスタやピザも美味しいが、やはりより親しみがわくのはチベット系の料理。モモとトゥクパとチョーメンが定番だ。


 ネパール一旨い食堂のビムの料理を2年ぶりに味わった。



 ポカラでは眺めの好い部屋を借りてのんびりした。
一ヶ月12000円。キッチンもガスシャワーついてWiFiもついてこの値段でこの環境。命が生き返るぜ。
日本に住む必要はまったくない。
行きたくなったら遊びに行けば良い。






ポカラでは友だちの日本食レストランのメニューのデザインをしたりギター演奏、楽曲制作など結構仕事して滞在費以上の稼ぎになった。日本ともやりとりして原稿を書いたり、電話インタビューに応じたりと、ラップトップと楽器さえあればどこでも仕事は出来る、便利な時代になったもんだ。職業は旅人と堂々と言えるようなったのが嬉しい。
ニッポン放送の番組では俺のことが旅人として紹介もされた。










 6月終わりにネパールから再びデリーに飛んでリシケシでダラダラしたあと、清涼なダラムサラにダラダラしに来た。
去年も同じ時期に2ヶ月くらいいた気心知れた町。





おいしいチベタンのテントゥク屋あって毎日通ってる。常連客なので特盛りでRs.90(140円)チベット風濃厚ワンタンスープみたいな感じ。
町を歩いてもモンゴロイド系であるチベタンが多いので、日本人の自分も目立たなくていい。





部屋のテラスからはいつも絶景で、雨期ならではの霧の幻想的な風景もいい。
雨がざーっと降っていると、居心地の良い部屋に閉じこもって好きなことをしていられるから、雨期のダラムサラはやはり好きだ。



そして今月15日にはインドビザが切れる。
次はどこへ行こうか?

今、GibsonのES-175というビンテージギターを探している。1950年代初期のもので状態が良いものは少なく70万~100万くらいする。しかしこのギターでしか出せないサウンドがあるのだ。もちろんインドには売ってない。
懐かし自販機は1960年代から作られ、今まさにビンテージである。
数十年の時を経てきたからこその風格と存在感は、誰しも感じるだろう。
その自販機や旅への想いを音にしようとするとき、今持っているギターでは無理なのだ。
やはり50年代初期のにしか出せない味わいがある。






というわけでギター探しの旅にでることにした。
まずは日本へ行ってみる。無かったらアメリカか。

でも冬はまたゴカルナに戻ってくると思うのでインドの旅はまだまだ続きそうだ。

ところで、2年前の9/7に俺は酒をやめた。以来一滴も飲んでいない。
あれから2年か。
2年間ずっと素面で自分と向き合ってきた。40代になって人生についてもいろいろと気づくことも多かった。
インドだからやめていられるというのがある。酒はあまり歓迎されていない文化だからだ。だがいまだに飲みたいと思うことはしょっちゅうある。
なんでやめようと思ったのかもあまり思い出せない。
でも飲んでたころより体重は10kg以上減ったし楽だ。
二日酔いも一切無いし深夜まで作業しても常に明晰だ。
でも・・・やはり寂しい。
今夜もクンガレストランのおいしいチョコムースを買ってきてしまった。
Rs.75(116円)で完璧。

日本はギター探しメインなので短期ですが、いろいろとご連絡お待ちしております。


21年前インド、バラナシにて。
やってることが変わっていない。